お知らせ

令和7年最初の法話会を開催いたしました。

2025年3月9日


令和7年最初の法話会を開催いたしました。 講師には四国、徳島県長好寺ご住職佐伯隆真僧正をお迎えしました。
当日は、好天に恵まれて、善心会会員、ご信者様、ご縁の近隣住民の方々が多く参加されました。
 佐伯僧正のお話は、長好寺に生を受けられてから、社会人を経て京都の総本山仁和寺で修行され、当初はご自分のお寺と近くの真言宗寺院でお勤めになって経験を積まれたこと。その後、一念発起して約十年前に関東で布教活動を開始されたことなどをお話しされました。
 最初は一般社会人の弟さんしか、ご縁の方が居られなかったそうですが、少しずつご縁の僧侶の方や寺院、業者の方が増え、善通寺関東別院先代主監安藤僧正とのご縁を結ばれ、今に至っておられるとの事など、穏やかな口調でお話しを進められました。
 僧正が関東に来て驚かれたことは、お寺やお宮とのつながりの薄い方が大変多かったこと、葬儀や法要、法事についての捉え方が大きく異なっていることだったそうです。
 その布教活動の中で、僧正がよく受ける質問に、「葬儀や法事はなぜ行うのですか?」というのがあるそうです。これに対し僧正は、「ありがとうという感謝の気持ちを表す練習だと思ってください」と説明されるそうです。「ありがとう」という言葉は簡単そうでなかなか口に出すことができません。これは普段から「ありがとう」という言葉を口にする練習ができていないからです。そしてご自分のお子様を例えにされて、「子供は教えないとありがとうと言わないでしょう。一緒にいる親がものをいただいたり、何かしてもらった時にありがとうと言いなさい、というとちゃんと子供達はありがとうと言います。でも親が言わないといつの間にかありがとうを言えなくなっている。これと一緒で、ありがとうというにはきっと練習が必要なんです。」だから葬儀や法事は、お世話になった方々への「ありがとう」を言える大切な機会なのですから、この機会を大切にしていただきたいとお伝えされているそうです。最後に僧正は、「皆様もいつもありがとうという感謝の言葉を言えるよう、いろんなところでありがとうを言ってください。」とお話しを締め括られました。
 静かな語り口の中にも、時折笑いを起こすお話しにご参加の皆様は大変感銘を受けられて、それぞれに「ありがとうございました」と僧正にお伝えしてお帰りになりました。